
銅の価格高騰を背景に太陽光発電所、建設現場、通信基地局、鉄道施設などで銅線の盗難が急増しています。稼働停止による収入減、修復にかかる多額のコスト。防犯カメラ、センサーライト、頑強なフェンスの設置、地中埋設などの対策が考えられますが、広い敷地への対策にも多額のコストがかかります。
盗難防止の一つの方法として有効なのが銅線を銅クラッドアルミ線に変える方法です。銅とアルミのクラッド材は、融点が異なる金属の接合材のため単純に溶解して再利用することはできません。融点の異なる銅とアルミを完全に分離できるような特別な設備が必要になります。万が一盗難にあった際にも、銅クラッドアルミ線は、銅線に比べ長さ当たりの価格が安いため、修復コストを抑えることも可能になります。今回は銅とアルミのクラッドワイヤーに関して説明します。
同じ断面積の導体で導電率を比較した場合、銅の導電率を100とするとアルミは約60です。
Φ1.0mmの銅線に流れる電流をアルミ線に流そうとする場合、アルミの断面積を1.66倍にする必要があります。したがってΦ1.0mmの銅線に対しΦ1.3mmのアルミ線が必要になります。重量は銅線の約半分です。このことは密度当たりの導電率は銅線よりアルミ線が約2倍優れていることを意味します。
この様な理由から軽量化にアルミ線を使用することは理にかなっています。しかし、アルミ線は銅線に比べ強度が弱く、電気接続の信頼性も劣ります。銅をクラッドすることでそれらの弱点を補う事が可能です。

CCAワイヤーは、銅とアルミの間に原子間の堅固な拡散結合が形成されたクラッド材です。形状も角型のものから線状のもの、銅とアルミの構成も上の図のように要求ベースで自由に設定可能です。

| 特性 | 導体 | ||||
| CCAワイヤー | 銅線 | アルミ線 | |||
| 銅の体積比率(%) | 10 | 15 | 20 | 100 | 0 |
| 密度(g/cm3 ) | 3.30 | 3.63 | 3.94 | 8.89 | 2.70 |
| 同じ重量での長さ比 | 2.7倍 | 2.45倍 | 2.25倍 | 1倍 | 3.29倍 |
| 導電率(% iACS) | 65 | 68 | 70 | 100 | 62 |
| 直流抵抗(Ω.mm2/m) | 0.02620 | 0.02520 | 0.02430 | 0.01724 | 0.02740 |
| 引張強度(Mpa) | 95-120 | 105-135 | 115-145 | 215-265 | 68-107 |
| 伸び(%) | ≥15 | ≥15 | ≥15 | ≥20 | ≥10 |
| 巻きやすさ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ |
| はんだ性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
| 線材でのコスト比較 | 密度(g/cm3) | kg価格 | 1kgからの取高 | 1m当たりのコスト |
| CCA-10Aワイヤー Φ1mm 銅の体積比率10% | 3.3 | 2,410円(*1) | 400m | 6.025円 |
| 銅 Φ1mm | 8.89 | 2,170円(*2) | 150m | 14.47円 |
| 条材でのコスト比較 | 密度(g/cm3) | kg価格 | 1m2の重量 | 1m2当たりのコスト |
| CCA条 1mm厚 銅の体積比率15% | 3.63 | 3,763円(*1) | 3.6kg | 13,547円 |
| 銅 1mm厚 | 8.89 | 2,170円(*2) | 8.89kg | 19,291円 |
ここまで、銅価格の高騰に伴う深刻な盗難被害への有効な対策として、銅クラッドアルミ(CCA)ワイヤーの優位性をご紹介いたしました。単なるコストダウンの手段にとどまらず、「物理的に分離・転売が困難」という特性による盗難抑制効果や、軽量化による施工コストの削減など、CCA材は現代のインフラ設備が抱える課題に対して多角的なソリューションを提供します。
バイメタルジャパンでは、標準的なCCAワイヤーだけでなく、お客様の要求仕様に合わせた銅の比率や形状(丸線・平角線・条材)をオーダーメイドでご提案し、設計段階からの課題解決をお手伝いしています。100社を超える導入実績と、国内外のトップメーカーとの強固なネットワークにより、お客様のニーズに最適な接合・導体ソリューションを幅広く提供してまいりました。
銅線の盗難防止対策、あるいは導体の軽量化やコスト削減についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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