高電圧化する電気自動車には多くのパワーモジュールが使用されています。
放熱などの熱対策も重要ですが、熱伸縮による部品の劣化対策も重要です。
・熱伸縮による部品の劣化
銅/インヴァー/銅クラッド(CIC)材を使用することで、熱伸縮による劣化を改善しました。
金属合金中で熱膨張係数が1.2ppm/℃と一番低いのがインヴァ―(36Ni-Fe)材です。
リード線にCIC材を使用することで、熱による伸縮を抑えることが可能で、劣化による断線を防ぎ、製品寿命を長くすることが可能です。
パワーモジュール基板も熱により伸縮し、実装部品とのはんだ層のクラックの原因となります。 基板下のヒートスプレッダーにCIC材を使用することで基板の熱伸縮を抑え、製品寿命を延ばすことが可能です。銅層の熱拡散性はアルミフィン全体からの放熱にも有効です。
・熱伸縮による劣化の軽減
幅の狭いクラッドバスバーを溶接加工する際、一般的なエッジレイクラッドでは接合部分の材料が入り込むオーバーラップ部分が4~10mm必要で、クラッド接合部が剥離してしまう懸念がある。
オーバーラップ部分実質0のエッジレイクラッドを活用することで、溶接ポイントとクラッド接合部の距離を確保して、溶接時のクラッド剥離リスクを大幅に低減。
総厚、0.05mm~15mm程度のクラッド材であれば、問題なくロール圧延で接合できますが、15mmを超えるような厚みのあるクラッド材は通常のロール圧延では対応できない。
このような総厚15mmを超えるような厚みのあるクラッド材の接合で有効な接合方法が「爆発圧着」です。
基材の上にクラッドする金属を隙間を空けて配置し、その上に爆薬を載せ、起爆させ、その圧力で原子間結合させる方法です。
電線に広く使用される銅は電気伝導率が非常に優れている反面、コストが高く重量も重いため改善が必要。
銅とアルミのクラッド材を材料とした電線にすることで、電線の軽量化を実現しアーク(電弧)の発生を抑制し、耐久性も向上。